格安SIMを利用する目的は“通信費の節約のため”という人が多いと思います。でも、“音声通話付き”のSIMにすると、意外と安くならないというが現状…。格安SIMの節約感は“データ専用SIM”でこそ、最大限に発揮されるのではないでしょうか?

それでも通話機能を全く使わないというのは無理な話です。そこで、ここでは格安SIMのお得感を損なわずに、“データ専用SIM”でも通話ができる“無料”や“格安”のアプリをご紹介していきます。

音声通話の基礎知識

まずは音声通話の基本知識を知っておきましょう。
「090」「080」ではじまる電話番号は、SIMの電話回線を使用するため、基本的には音声通話付SIMのプランでしか利用できません。「070」は2014年に携帯電話に割り当てられた番号ですが、MVNOによってはまだ対応していないところもあります。

音声通話付SIMなら、大手キャリアが提供するスマホと同じ感覚で通話が可能ですが、料金は多くが従量課金制です。このため、プラン料金の他に通常20円/30秒の通話料が加算されるため、月々の支払額でみるとかさんでしまうことがあります。

そこで活用したいのが通話のできるアプリです。これは次の3つに分類することができます。それぞれにメリット・デメリットを見てみましょう。

メッセージアプリ(IP電話)

メッセージアプリに追加されている通話サービスで、「LINE」や「Skype」などのアプリで利用できます。インターネット回線で通話するサービスで、アプリ間なら通話料無料、固定電話や携帯電話には有料ですが通話可能です。気軽な通話が楽しめる一方、相手に電話番号が非通知となるケースや、「050」から始まる電話番号が利用できないものも多く、ビジネスには不向きといわれています。料金はチャージ式が多いです。

通話アプリ(IP電話)

「050」から始まる専用の電話番号が付与され、固定電話・携帯電話への通話も可能で、相手にも「050」から始まる番号が表示され、非通知とはなりません。先方がこの番号に折り返し電話をかけることや、通話の録音や留守番電話なども無料で利用でき、通常の携帯電話に近い機能といえます。ただし、緊急通報などの3桁の電話番号にはかけられません。料金は使用分だけ支払う従量課金制が多いです。

通話アプリ(回線交換)

「090」「080」のSIMの電話番号を利用し、自社回線を経由して通話を行うアプリです。料金は国内なら通常の音声通話付SIMの半額で、10円/30秒です。SIMの電話回線を経由するため、基本的には音声通話プランでの利用になりますが、音声の遅延などは少なく高品質な通話が可能です。ユーザー間の無料通話はない場合が多く、料金は基本的に従量課金制です。

通話アプリの比較

以上の3種類のシステムで通話ができるアプリは多数あり、それぞれに特色があります。通話の快適さや、利便性、料金なども様々です。アプリなので、スマホの機種に対応していれば、複数利用することもできますね。特徴をつかんで、上手に利用したいものです。
それでは、それぞれのシステムの代表的なアプリを紹介します。

メッセージアプリ(IP電話)の代表例

  • LINE(無料アプリ)
    アプリ間の無料チャット・無料通話が人気ですが、「LINE電話」の機能を使えば電話もかけられます。
  • Skype(無料アプリ)
    ユーザー間で利用できる無料ビデオ通話が有名ですが、「スカイプアウト」の機能を利用すると普通の通話もできます。「050」から始まる電話番号も300円/月で利用可能です。
  • Viber(無料アプリ)
    楽天が提供するアプリで、文字チャット以外にも「ViberOut」機能を利用すると通話ができます。ユーザーは世界に4億人という規模で、通話の品質も良好です。
アプリ名月額基本料金アプリ間通話固定電話への通話料金(1分)携帯電話への通話料金(1分)アメリカへの国際電話(1分)
LINE 無料無料3円14円1円
Skype 無料無料2.26円※10.81円※2.26円※
Viber無料無料3セント9.8セント1.9セント

※ 1通話につき固定電話4.82円、携帯電話8.75円の接続料がかかります。

 

通話アプリ(IP電話)の代表例

  • 050plus(無料アプリ)
    NTTコミュニケーションズが提供するアプリで、高音質で安定との評判です。留守番電話などのオプションも充実しており、設定が簡単なのも嬉しいところです。
  • SMARTalk(無料アプリ)
    固定電話への通話は他社と比べると割高ですが、基本料金が無料なので、通話量が多くない人、とりあえず通話機能を備えておきたい人などにおすすめの通話アプリです。携帯電話への通話は、このタイプの中では最安です。
  • LaLa Call(無料アプリ)
    固定電話への通話料金がもっとも安い通話アプリです。アプリ間でチャットや画像の送受信、無料留守番電話機能などが人気です。
アプリ名月額基本料金専用番号「050」の取得アプリ間通話固定電話への通話料金(1分)携帯電話への通話料金(1分)アメリカへの国際電話(1分)その他の機能
050plus324円無料2.88円17.28円9円留守番電話/プッシュ通知/グループ/メッセージ
SMARTalk無料無料16円16円20円通話の録音/留守番電話/プッシュ通知/ノイズキャンセラー
LaLa Call108円※無料2.66円18円6円留守番電話
/メッセージ

※「eo光」の契約者は家族4人まで無料
 

通話アプリ(回線交換)の代表例

    • 楽天でんわ
      楽天が提供する通話アプリで、格安SIMの「090」「080」「070」の電話番号をそのまま使えるのが魅力です。相手の電話番号の頭に「0037-68-」をつけるか、アプリから電話をかけると、格安で通話ができる仕組みです。携帯電話・固定電話への番号表示率100%と、相手も安心の通話アプリです。
    • G-Call
      「090」「080」「070」の電話番号が使え、アプリから発信すれば格安で通話ができますが、固定電話への番号通知はされません。通話料は消費税分G-Callの方が安くなります。国際電話は多くが30秒~1分あたりの料金システムですが、G-Callは6秒あたりで請求されます。申し込みから利用開始までに数日かかります。
アプリ名月額基本料金格安SIMの番号利用固定電話への通話料金(1分)携帯電話への通話料金(1分)アメリカへの国際電話(1分)相手への番号通知
楽天でんわ無料20円(税別)20円(税別)20円携帯電話:〇
固定電話:〇
G-Call無料20円20円29円携帯電話:〇
固定電話:×

 

スマホの料金が抑えられる格安SIMの利用はとても魅力的ですが、全く通話ができないのも不便なものです。しかし、声だけが頼りの通話で、音声が途切れたり、ノイズが多かったりすると、相手に与える印象も違ってきます。気軽な友人なら問題にならないことでも、ビジネスの相手となると話は別ですね。通話する環境によって、利用したいアプリが変わる時もあるでしょう。いくつかのアプリを予め設定しておいて、シーンに合わせて使うアプリを選ぶようにするのも1つの方法です。

ただし、IP・回線交換の電話には、110番などの緊急通報に対応していないものが多いのも現状です。非常時は、音声通話付SIMならアプリを介さない発信の方が安心です。